浜谷東志さんは、食事時になると、34年かけて磨いた肉を焼く腕前を披露し、客においしい焼肉を提供している。
四川省成都市の繁華街である春熙路のあるショッピングセンターの中に、日本の焼肉店「和匠kao肉」を、日本人オーナーの浜谷さんが、2019年9月に、仲間と共にその店をオープンさせた。
浜谷さんは、「2006年に成都市に旅行に来た時に、日本式焼肉店があまりないので、大きな市場になると考えた。
成都市は生活感に溢れ、とても快適という印象が強く、店を開くことにした」と話す。
開店して間もなく、新型コロナウイルス感染症が襲来し、ショッピングセンターは6週間営業を停止した。
大変な時期にもかかわらず、店のスタッフ50人に給料を支払わなければならず、冷凍庫の中には何百キロもの牛肉がストックされていて、このままでは売り物にならなくなってしまうという危機的な状況に陥ったが、決して諦めなかった。
浜谷さんがそのように気力を保つことができたのは、成都市政府の支援のほか、成都市が大好きという気持ちがあったからだという。
「留まると決めたからには、がんばらないと。
新型コロナウイルス感染症拡大が最も深刻だった時期を乗り越え、都市の生産や生活の秩序が少しずつ回復するにつれて、店の客足も戻り始めた」と浜谷さん。
常連客も増え、商売は繁盛するようになり、2020年8月と12月には、2号店と3号店もオープンした。
18歳の時に見習いになってから、焼肉の腕を磨き続けて34年になる浜谷さんは、「僕は日本の『焼肉職人』」と笑顔で話し、「日本式焼肉の素晴らしさを成都で伝えたい」と、その思いを語る。
店では、食材の味にこだわったり、さっぱりした料理から始めて、徐々に味の濃い料理を提供するようにしたり、肉の部位によって切り方を変えたりと、日本ならではの焼肉の技を取り入れている。
「当店の看板メニューは『厚切り牛タン』で、厚めに切ったほうが味わい深い。
地元成都市で雇用した見習いもおり、技を教えている」と浜谷さん。
浜谷さんは仕事の合間に、成都市のバラエティーに富むグルメ文化を楽しんでおり、「成都市は『グルメの都』で、火鍋に串串(串料理)など、とてもおいしい」と満喫している。
「将来的には、成都市のグルメを日本で伝え、一人でも多くの人においしい料理について知ってもらいたい」と話した。

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