「爵」は、古代の酒器で、中国にしかない独特の形をしている。
丸形の乳釘紋は青銅器の装飾の文様としては最も単純なもので、乳釘紋の銅製の爵は「中華第一爵」と呼ばれており、これまでに発見された青銅器の中で最も古い時代のものだ。
青銅器鋳造の歴史は5700年前の西北地域に遡ることができるが、当時の鋳造技術は水準が低く、銅刀など簡単な器物しか製作することができなかった。
そのため、初期の酒器は陶土で作られたものがほとんどだった。
2500年前になると、河南省洛陽市の二里頭にいた人々が先進的な「複合範(合わせ鋳型)」技術を生み出し、いくつかの型を合わせて鋳造するようになり、より大きくて複雑な青銅器を製造することが可能になった。
この乳釘紋青銅爵は、同技術が使用された早期代表作の一つとされている。
表面にある少し盛り上がったような線は、鋳型と鋳型のつなぎ目の跡だ。
この線があることで、二里頭の時期、既に世界トップレベルの青銅鋳造技術があったことがわかる。
夏の時代、飲酒は貴族の特権であったため、貴金属である青銅製の爵はごく自然に身分や地位を示す祭器となった。
古代の爵禄制では貴族の身分に応じて与えられる「爵」が決まっており、現代中国語の「爵位」や「加官晋爵(官位や爵位が昇格すること)」という言葉はこの古代の酒器に起源がある。

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